気温が高くなるにつれ、「お肌がテカる・・・」「化粧が崩れる・・・」「ニキビ
や吹き出物ができやすい・・・」など、お肌がべたついたり、オイリーになる
ことが多いですよね。
また、その逆にエアコンなど空調による乾燥もあり、オイリ-なのにカサカサ
して、どのようにケアをしたらいいかわからない!などの、ご相談いただく
ことが多くなります。
このように、お肌の脂っぽさやカサカサ。原因はなんでしょう?
大きく関係しているのが、皮脂膜です。
皮脂膜は皮脂と汗から成り立っていますが、皮脂は毛嚢に開口する脂腺
から皮膚表面に分泌されます。皮脂は毛穴にそって皮膚の表面に出て
くるというわけです。
これと、エクリン汗腺の水分(汗)とが混じり合ってお肌の表面に保護膜を
つくり、外的刺激から素肌を保護します。これが自分だけのオリジナル
天然クリーム(皮脂膜)です。
私たちのお肌は日頃から、気温の変化や空気の乾燥、紫外線や雑菌、
ダニやハウスダストなどいろいろな刺激にさらされているわけですが、
この皮脂膜がそれらの刺激から守り、有害なものの侵入を防ぎます。
さらにこの皮脂膜は、皮膚から水分が蒸発するのを防ぎ、うるおいを
保ちながら、皮膚表面の柔軟性を保持する役割を果たします。
この働きを「バリアー機能」といいます。
しかし、ここでよく考えてみて下さい。乳液なども水分と脂分を混ぜる
ために界面活性剤を使っていますが、本来、水分と脂分は分離して
混じり合わないものですので、皮脂膜という天然のクリームなんて
できるはずありませんよね。
その秘密が、皮膚常在菌に隠されていたのです!
様々な研究の結果、皮膚常在菌の出す代謝物が、汗と皮脂を乳化して
混ぜ合わせ、皮脂膜を作り出すという大切な働きをしていたのです。
お肌には常在菌といって、呼んで字のごとく、常に菌が存在しています。
え0!とお思いの方がいらっしゃるかもしれませんが、これは紛れもない
事実です。どんな方のお肌にも存在し、病原菌の侵入や増殖を抑える
役割を担っている人間にとって有用な細菌です。
この一人一人が持っている常在菌はその菌の種類やバランスの違いが
見られ、その違いが肌質の違いをもたらしている一因だそうです。
常在菌にも健康な素肌を作り出す菌(善玉常在菌)と肌トラブルの原因と
なる菌(悪玉常在菌)があり、どちらも存在しています。菌の種類には
たくさんあり、たとえば悪玉菌ではニキビの原因になるアクネ菌やアトピー
性皮膚炎に関係する黄色ブドウ球菌などがあります。
健康な素肌をしている方は善玉常在菌が活発に働き、皮膚細胞の環境が
たいへん整っていて、水分、脂分のバランスが保たれ、悪玉常在菌の増殖を
抑え、お肌の健康を保ってくれているそうです。
素肌環境を整えるように作られた基礎化粧品でしっかり善玉常在菌を活性
化させ、皮脂膜を作り出すスキンケアすることが必要ですね。
皮脂膜について、続きは来週お伝えします。