先週のマガジンの中で「常在菌(じょうざいきん)」について触れましたが、
「常在菌」とは?というご質問をたくさんいただきましたので、今週は
「常在菌」についてお伝えしたいと思います。
お肌には常在菌といって、呼んで字のごとく、常に菌が存在しています。
え0!とお思いの方がいらっしゃるかもしれませんが、これは紛れもない事実
です。どんな方のお肌にも存在し、病原菌の侵入や増殖を抑える役割を担って
いる人間にとって有用な細菌です。
この一人一人が持っている常在菌はその菌の種類やバランスの違いが見られ、
その違いが肌質の違いをもたらしている一因だそうです。
常在菌にも健康な素肌を作り出す菌(善玉常在菌)と肌トラブルの原因となる
菌(悪玉常在菌)があり、どちらも存在しています。菌の種類にはたくさんあ
り、たとえば悪玉菌ではニキビの原因になるアクネ菌やアトピー性皮膚炎に関
係する黄色ブドウ球菌などがあります。
健康な素肌をしている方は善玉常在菌が活発に働き、皮膚細胞の環境がたいへ
ん整っていて、水分、脂分のバランスが保たれ、悪玉常在菌の増殖を抑え、お
肌の健康を保ってくれているそうです。
さらに、細胞生まれ変わろうとする働きもスムーズなので、いろいろなケアを
しなくともシンプルケアだけで常に善玉常在菌が最良の状態で働いてくれてい
るそうです。
でも、健康な素肌の方でも、「私は善玉常在菌がいっぱいよ!」なんて意識し
ていないですよね。
逆に、潤いがなくガザガザだったり、トラブルが生じているお肌の場合、その
お肌では善玉常在菌がうまく働いていないか、育ちにくい環境にあることが考
えられるそうです。
善玉常在菌について特筆すべきは「バリアー機能」に関係する働きです。
まず、お肌の潤いの正体、皮脂膜(オイルシート)という天然のベールはご存
知でしょうか?
皮膚にある汗腺から出てくる汗と、皮脂腺から分泌される皮脂とが皮膚表面で
混ざり合い、天然クリームが作られます。
これが皮脂膜(オイルシート)です。
このクリームが外界の様々な刺激からお肌を守ります。
私たちの肌は日頃から、気温の変化や空気の乾燥、紫外線や雑菌、ダニやハウ
スダストなどいろいろな刺激にさらされているわけですが、この天然クリーム
がそれらの刺激から守り、有害なものの侵入を防ぎ、体内の水分量を保つとい
う、とても大切な働きをしています。
この働きを「バリアー機能」といいます。
しかし、ここで、よく考えてみて下さい。乳液なども水分と脂分を混ぜるため
に界面活性剤を使っていますが、本来、水分と脂分は分離して混じり合わない
ものですので、天然のクリームなんてできるはずありませんよね。
ところが、この善玉常在菌に秘密が隠されていたのです!
様々な研究の結果、この常在菌の出す代謝物が、汗と皮脂を乳化して混ぜ合わ
せ、天然のクリームを作り出すという大切な働きをしていたのです。
お肌のトラブルを改善し根本から健康なお肌にしていくには善玉常在菌をしっ
かり働かせていくことが大切ですね。
あなたのお肌もお肌の環境を整えて善玉常在菌を活発に働かせる環境をつくっ
ていけば、お肌本来の健康な素肌を保つことは可能です!”