界面活性剤

界面活性剤というとかぶれやアレルギーの原因としてよく耳にする言葉
ですね。しかし、意外と本来の働きなどは知っているようで知らないもの
ではないでしょうか?

界面活性剤についてのご質問も多くいただき、知識の1つとしてご参考
になればと思い、今回テーマとして取り上げてみます。

まず、界面活性剤とは何でしょう。
水と油を混ぜ合わせる働きを持つ物質を界面活性剤といい、化学的には
表面張力(界面張力)を下げるもので、液体の表面に働く内部に引っ張る
力を弱める力をもつ物質です。
 
洗剤でいうと、水の表面張力を下げることによって汚れを包み込み、汚れ
は水に引っ張りだされます。これが、界面活性剤の洗浄作用です。

広い意味では水と油を使っていても分離せずに混ざり合っているものは
すべて界面活性剤を使っていることになります。
 
特に水と油を混ぜ合わせる働きのあるものは乳化剤と一般的に呼ばれて
いますが、正確には乳化剤は界面活性剤です。

では、界面活性剤といえばどのようなものを思い浮かばれるでしょうか?

界面活性剤といえば合成洗剤というイメージがありますが、身近に?存在
するものなのです。それは卵黄などの食品に含まれている「レシチン」です。

私たちの体は、親水性(水に溶ける性質)のものと親油性(油に溶ける性質)
のものとから成り立っていますが、その仲立ちをするのが「レシチン」です。

人間が持っている細胞の数は、約60兆個といわれていますが、これらの
細胞には必ずレシチンが含まれ、一番大きな役割は実は界面活性剤の働きと
言われています。

レシチンの親油性の働きが、血管の内壁にこびりついたコレステロールを
溶けやすくしたり、細胞の中の老廃物を親油性と親水性の両方の働きにより、
血液の中に溶かし込んで血行をよくしたりします。すなわち、天然の乳化剤
(界面活性剤)の役割をするのです。

ただし、これら植物性のものは酸化されやすいため化粧品に配合されている
のは注意が必要です。

このようにレシチンには界面活性剤としての作用や、人体のすべての細胞の
中に必要な栄養分を吸収し、不要な物質を排泄する大切な役目をしていること
から、食品として摂取した場合、老化を防止したり、お肌を美しくし、肌トラブル
(シミ、ソバカス)を予防する効果なども期待されています。

ちなみにレシチンが豊富に含まれている食べ物としては先ほどの卵黄の他に、
大豆、穀類、ゴマ油、レバー、小魚、ウナギなどが挙げられます。

界面活性剤は、何から作られているかを指しているのではなく用途であり、
物質の性質です。ビックリするかもしれませんが、その意味では石鹸も
界面活性剤の一種になります。
 
界面活性剤の良し悪しは何から作られているかによります。人間の体内にある
物質、またはそれに近い物質の方がお肌に優しいということはお分かりだと
思います。界面活性剤についてもその全てが悪いものではないのです。

ただ、シャンプーに使用されている界面活性剤は、その目的から洗顔料や乳液
クリーム等に使われているものよりも強いものが多いようです。

顔や首筋についたままのシャンプーでかぶれたということにならないように
お風呂に入ったときはシャンプーしたあとにしっかり洗顔するのが正しいと
いえますね。

(ちなみにプライマリーでは石鹸以外に界面活性剤は使用しておりません)

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