前回、皮膚生理学的には色黒肌のほうが丈夫だとお伝えしましたが、色白肌の方はどういう肌なのでしょう?
まず、色白の肌は“きめが細かく、透明感があり、見た目にも美しい”という
優れた特徴があります。ほとんどの女性が色白に憧れ、美白を求めるのはよく
わかりますよね。
しかし、長所があれば短所あり。色白の肌は年齢を重ねるにつれて、お肌の乾
燥が進みやすく、みずみずしさやはりを失って、小じわが目立ってくるという
大きな弱点があります。
これは、色黒の肌とは逆にメラニン色素の働きが弱く紫外線のダメージを受け
やすいことに起因します。
さらに、色白の肌はもともと皮膚が薄く、色黒肌の方に比べ皮脂や汗などの分
泌も少ないという特徴もあり、結果的に小じわをつくりやすい肌質ということ
になります。
特に、注意すべきなのは紫外線です。
こういった弱点をもった色白肌の方が、紫外線をたくさん浴びると取り返しの
つかないトラブルに発展するのはいうまでもありません。
表皮にメラニン色素を集めることで紫外線を吸収し、その害が皮膚の深部へ侵
入するのを食い止めるというお肌本来の機能がもともと弱いわけですから、紫
外線を浴びるとまず軽いやけどの状態になり、やがて黒くなってきます。
これを繰り返すうちに、お肌の弾力成分であるコラーゲンが変質してお肌は本
来の弾力を失いたるみが出て、さらに皮脂や汗など分泌が少ないため乾燥も進
み、カサカサと乾きがちになり、結果小じわをつくってしまいます。もちろん、
色素沈着をおこして、シミやソバカスの原因にともなります。
このように、色白の方が美しく日焼けするのは考えられないのです。
もって生まれた肌の色は無理に変えようとすべきではないということですね。
北欧の人々が色白なのは、日常メラニン色素が紫外線から肌を守る必要がない
からで、皮膚生理も人間をとりまく環境に合っていました。
今では、環境破壊が進みオゾンホールの影響で高緯度地方でも紫外線から身を
守る必要がでてきましたが。
また、色白の方のスキンケアでの注意点として、角質を取りすぎないことと、
とにかくお肌にやさしいケアをしていくことが大切です。
比較的薄い色白肌は角質を守ってあげないと、乾燥がますます進み、年齢より
早く老化を見ることになります。
そのために角質を必要以上に取りすぎないことが大切です。スクラブ洗顔やク
レンジングなどは避けるべきです。ピーリングなどお肌に刺激となるものも避
けましょう。色白の方は皮膚が薄いのでやはりお肌をいたわってあげないとい
けません。
角質の取りすぎに注意し、充分な水分補給とバランスの良い保湿をしていくこ
とが必要です。くすみなどから角質を取り去ることばかり考えていると逆にシ
ミや小じわなど思わぬトラブルを招くことになりますよ。